┃子宮筋腫とは?
子宮筋層(子宮の壁)にできる良性の腫瘍のことを子宮筋腫と言います。
30歳以上の女性の約30~40%に見られる、ありふれた病気です。
20代頃から発症しやすく、閉経後には徐々に小さくなり、その後は変化しなくなる事が分かっています。そのため、筋腫の発症や発育には女性ホルモン(エストロゲン)が深く関係していると考えられています。
┃症状
筋腫の大きさやできる場所によって異なる症状が現れますが、一般的には月経量が増えることで貧血になったり、生理痛が強くなる症状などがあります。筋腫のできる場所は大きく3か所に分けられます。
① 子宮筋層内(約70%) … 筋腫が大きくなると、出血量が多くなる過多月経や不正出血、流・早産の原因になります。
② 子宮内膜の内側(粘膜下筋腫) …筋腫が小さくても症状が出やすく、過多月経や不正出血、不妊症の原因になります。
③ 子宮の外側(漿膜下筋腫) … 筋腫が大きくなっても自覚症状が現れづらく、圧迫による下腹部痛や腰痛、頻尿・便秘などが起こることもあります。
┃治療法
子宮筋腫の治療法には薬物療法と手術療法があり、症状の程度や大きさ・場所などによって検討されます。※当院では手術療法は行っておりません。必要に応じて他院へご紹介する形になります。
薬物療法
◆対症療法 … 筋腫による痛みや貧血などの症状を抑えるため、鎮痛剤・鉄剤・漢方などを服用します。
◆GnRHアナログ製剤(偽閉経療法) … 錠剤や注射で女性ホルモンの分泌を低下させ、筋腫を小さくしたり諸症状を改善させます。治療中は骨密度の低下により骨粗鬆症のリスクが高まったり、更年期のような症状が出るため、半年以上の治療はできません。
また、治療を中止すると筋腫は元の大きさに戻ります。
手術療法
手術法は大きく分けて2種類あり、筋腫の大きさや数、年齢などによって異なります。
◆子宮全摘術 … 筋腫とともに子宮全体を取り除く方法
将来、妊娠を希望しない方が対象です。
◆筋腫核出術 … 子宮を温存し、筋腫のみ摘出する方法
妊娠希望がある方や、子宮を残したい方が対象です。
┃筋腫を見つけるには?
主に婦人科の内診や、超音波検査にて見つけることが出来ます。
超音波検査では、内診では分からないような小さな筋腫も見つけることができ、
筋腫の大きさ・部位・数も把握することができます。
☆当院では、千葉市の子宮がん検診時にオプションとして超音波検査を3,300円で受けることが出来ます。
がん検診だけでは分からない病気が潜んでいる可能性があるため、自覚症状がない方でも超音波検査を受けてみてはいかがでしょうか。
また、何か症状がある場合はお早めに受診する事をお勧めします。
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