2021年11月5日金曜日

子宮頸がんワクチンについて(HPVワクチン)

 

子宮頸がんワクチンについて

(HPVワクチン)

 

子宮頸がんの95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因とされ、性交渉の経験があるほとんどの女性がHPVに感染しているといわれるほどごくありふれたウイルスです。HPVはほとんどの場合免疫力で自然に排出されますが、一部の女性が子宮頸がんを発症します。

HPVは100種類以上の型がありますが、その中でも16型,18型は特に前がん病変や子宮頸がんへの進行する頻度が高くスピードも速いといわれています。

2030歳の若い女性に子宮頸がんが増加していることから、初めて性交渉を経験する前にワクチンを接種するということが最も効果的です。また、新しい感染を予防するためにも性交渉がある方にもワクチン接種は有効といえます。HPVワクチンの効果は20年くらい続くとされています。

 

現在、日本では以前よりあった2価「サーバリックス」、4価「ガーダシル」と20212月に発売された9価「シルガード9」の3種類の子宮頸がんワクチンがあります。

 

   2価ワクチン 「サーバリックス」

 

・予防できる型 : HPV16型,18型(高リスク型)

・一般的な接種スケジュール : 1回目の接種を行った1か月後に2回目

6か月後に3回目の接種

 

   4価ワクチン 「ガーダシル」

 

・予防できる型 : HPV16型,18型(高リスク型)

            HPV6型,11型(低リスク型)

・一般的な接種スケジュール : 1回目の接種を行った2か月後に2回目

6か月後に3回目の接種

 

   9価ワクチン 「シルガード9

 

・予防できる型 : HPV16型,18型,31型,33型,45型,52型,58型(高リスク型)

            HPV6型,11型(低リスク型)

・一般的な接種スケジュール : 1回目の接種を行った2か月後に2回目

6か月後に3回目の接種

 

 

   高リスク型 : 子宮頸がん、陰茎がんなどの原因とされるHPV

 

   低リスク型 : 尖圭コンジローマなどの原因とされるHPV

 

 

□主な副作用 : 注射部位の痛み、腫れ、赤み、かゆみ、頭痛など


□接種をご希望の方

 

   ご来院 → 予診票記入 → 料金の支払い(前払い) → 接種日の予約 となります。

 

    ※ワクチンは料金支払い後に注文します。接種は1週間後以降になります。

 

 

ワクチンは感染予防をするものであって、すでにHPVに感染している細胞からHPVを排除する効果はありません。

原因であるHPVに感染しないことによってがんにならないようにすること、がん検診によって早期発見・早期治療し、結果的に子宮頸がんによる死亡を減らすことができます。

 

過去のブログ〈2020313日,328日,427日〉でも子宮頸がん検診、HPVウイルス検査、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)についてお伝えしてきましたのでそちらもご参照ください。

 

 

□男性へのHPVワクチン接種について

 

今までは子宮頸がん予防を目的とした女性への接種を行ってきましたが、202012月から男性へのHPV4価(ガーダシル)接種が始まりました。

 

男女問わずHPVに感染することから

 

   性交渉によってお互いにうつし合わない

   尖圭コンジローマ、また男性に多い中咽頭がん、肛門がん、直腸がん、陰茎がんの予防

 

のため接種がとても大切です。