2024年11月27日水曜日

旅行やテストなどに生理の日がぶつかりそうな時

 生理をずらすピル(中用量ピル)について

今回は中用量ピルについてお話します。
中用量ピルは、旅行などの理由で生理をずらしたい時に服用するお薬です。
☆生理をずらすピルをご希望の方は、余裕をもって1、2か月前までに来院してください。

※ 45歳以上の方
35歳以上の方で喫煙される方
妊娠の可能性のある方、授乳中の方
前兆を伴う片頭痛の方
極度の肥満(BMI30以上)の方には、処方していません。
(年齢等については、医師の診察の結果によります。)

◉生理を早める方法
ずらしたい生理のひとつ前の生理が始まったら、出来るだけ早く(遅くとも5日目までに)
ピルを飲み始めて早めたい日あたりまで飲み続けます。

例 5月の生理を早めたい → 4月の生理が来たら、5日目までに服用開始
※生理が始まった日を1日目とします。  

◉生理を遅らせる方法
生理予定日のおよそ5日前から飲み始め、生理をさけたい日まで服用します。
(生理予定日が予測出来ないような生理不順の方は、この方法が難しい場合があります。)

☆服用方法
食前食後に関わらず、24時間に1回服用します。

☆副作用
頭痛、吐き気、むくみなどがあります。
その他、血栓症を発症する可能性もあります。
詳しくは、当院HP(診療内容)をご覧下さい。

薬の使用中は、飲酒・喫煙、長時間同じ姿勢でいる事を控え、適度に体を動かし水分をこまめに取るようにしましょう。

※診察の結果、医師の判断によりピルを処方出来ない場合があります。
 相談のみでも料金(¥3300~)はかかります。

☆ずらせる生理は1回のみです。

2023年10月4日水曜日

下着やトイレットペーパーに血が付いた時は?

  生理ではない時に下着やトイレットペーパーに血が付いた場合に付いた場合についてお話します。

 この場合、つい、膣からの出血ではと思いがちですが、実は、尿道や肛門から出血していたという事があります。

 出血箇所により疑われる病気をあげてみます。

 

 膣からの出血

・ 細菌性膣症

・ 萎縮性膣炎

・ 排卵時出血

・ ホルモンバランスの乱れ(思春期、更年期など)

・ 子宮頸癌、子宮体癌

・ 子宮筋腫

・ 子宮内膜症

・ 子宮腺筋症

・ 子宮頸管・内膜ポリープ

・ 子宮下垂・子宮脱

・ 子宮外妊娠

・ 外陰部、膣壁の裂傷

・ その他


尿道からの出血          

・ 膀胱炎

・ 腎炎

・ 尿管結石

・ 尿道カルンクル

・ 膀胱腫瘍

・ その他


肛門からの出血

・ 痔

・ 大腸がん

・ 大腸ポリープ

・ 潰瘍性大腸炎

・ 胃・十二指腸潰瘍

・ 虚血性大腸炎

・ 直腸脱

・ その他


 上記のように出血箇所により、疑われる病気は様々です。

正確な診断の為にも、予めご自身で出血箇所を確認することが重要といえます。

確認できる範囲で構いません。

 そして、該当する診療科(婦人科・泌尿器科・肛門科)をお早めに受診することをお勧めします。




2023年9月15日金曜日

当院での子宮頸がん予防(HPV)ワクチン接種について


※接種できるワクチンはシルガード9(9価)のみです。

まず、診察時間内にご来院下さい。(予約不要)

ワクチンは発注から届くまで、約1週間かかります。来院時に1週間後以降の日付で予約をします。(1週間後の予約が取れるという訳ではありません。土曜日は埋まりやすい為、お早めにご来院下さい)


公費 シルガード9(9価ワクチン)

持ち物 保険証 診察券・予防接種シール(お持ちの方)

予約不要で来院、問診票を記入 → ワクチン発注


自費 シルガード9(9価ワクチン)

予約は必要ありません。まずは診療時間内にご来院下さい。

持ち物 保険証 診察券(お持ちの方)

問診票を記入、当日にお支払い → ワクチン発注

ワクチンは発注から届くまで、約1週間かかります。来院時に1週間後以降の日付で予約をします。

料金 

自費シルガード:1回につき3,0000円

2023年9月4日月曜日

ホルモン補充療法(HRT)について

 

2022715日掲載のブログで、更年期についてお話しております。

瀨古医院: 女性の更年期について (sekoiinn.blogspot.com)

 

現れる症状は人それぞれですが、更年期の女性のうち約80%の方が、ホットフラッシュ(突然のほてり・のぼせ・発汗)を経験しているという報告もあるそうです。

 

漢方薬での治療は、イライラ・不安感などの精神的な症状の改善に優れており、ホットフラッシュの改善にはあまり有効ではありません。

 

現在最も行われている治療法は、減少した女性ホルモン(エストロゲン)を補う【ホルモン補充療法(HRT)】です。

・錠剤

・貼付剤(テープ・パッチ)

・塗布剤(ジェル・ゲル)

など様々なタイプがあり、ホットフラッシュをはじめとする更年期症状の改善に高い効果が得られる治療法です。

 

しかし、全ての人がこの治療を安全に受けられるとは限りません。

 

・過去に心臓病・脳卒中にかかったことがある

・肝臓が悪い人や、血栓症のリスクが高い人

・片頭痛・高血圧・糖尿病がある人  など

これらに当てはまる人は、HRTを行うことができない場合や慎重に行う必要があります。

 

☆当院では初めてHRTを行う前と1年に1回、定期的な検診を行っています

・採血

・超音波検査

・子宮頸がん・子宮体がん検診

・乳腺外科での乳がん検診

・診察前の血圧測定も行い、安全に受けられるかチェックしながら処方しています。

 

患者様の症状・状態によって治療法は変わってきます。

まずは医師にご相談ください。

※更年期の症状として関節痛が起きる事もありますが、婦人科では更年期以外の病気が原因だった場合の診断が出来ません。まずは、整形外科にてご相談ください。

 

海外では、ホットフラッシュの症状を抑える治療薬として、初の非ホルモン製剤が承認されたそうです。

 

将来日本に入ってきたら、今現在ホルモン剤を使えない人達にも使えるかもしれません。

更年期障害の治療をする際の新たな選択肢となればいいですね。

 

2023年7月8日土曜日

『かゆみ』について

 

1年を通してかゆみで悩まれている患者さんが多く来院されます。

かゆみの主な原因として

 ・かぶれによるかゆみ

 ・感染によるかゆみ

があります。

 

  かぶれによるかゆみ

デリケートゾーンは常に下着に覆われているため蒸れやすく湿気がこもりやすい部分です。生理用ナプキンやおりものシートの使用中はさらに蒸れやすい状態になります。また、締めつけの多い下着やストッキングやズボンも蒸れの原因になります。デリケートな肌に下着やナプキンなどが長時間接触することによってかぶれてかゆみの原因となります。

 

  感染によるかゆみ 

細菌、ウイルス、真菌(カビ)など病原体に感染することでかゆみが起ります。

性器ヘルペス、腟トリコモナス症、尖圭コンジローマ、腟カンジダ症など多くのものがあり、自然治癒が難しく悪化することもあります。

感染の可能性のあるかゆみ症状がある場合は、パートナーにうつしてしまったり、ご自身の症状が長引く結果となりますので性交渉は控えましょう。

 

 

 

・下着は化学繊維のものではなく綿素材を選ぶようにしましょう

・生理用ナプキンやおりものシートはできるだけ通気性の良いものを選びこまめに交換しましょう

  ※おりものシートは必要な時以外使用を控えましょう

・ウォシュレット、石鹸、ボディソープなどで過剰に洗浄すると症状を悪化させてしまうおそれがあるので控えましょう

 

 

自己判断をせず、まずは医療機関を受診してください

2023年6月9日金曜日

PMS  PMDD について

 


最近では、私はPMSではないか、と問診票に記入される患者さんもいらっしゃるほど認知度の高い病名となりましたが、この名称がついたのは1994年と比較的最近です。

 

PMS  premenstrual syndrome

 

月経前3から10日の間に続く精神的身体的症状で、月経が来るとともに症状が

治まるものをいいます。

いらいら、落ち込み、不安、乳房痛、下腹部痛、頭痛、手足のむくみなど症状は様々です。

 

似たような病態でPMDD premenstrual dysphoric disorderというものがあります。

これは、PMSの症状のうちイライラなどの精神症状が中心であるものをいいます。

 

自分が当てはまるとしたら?

 

☆まずは、

症状を詳しく知り(症状の出るタイミング、頻度など)

アルコール摂取制限禁煙規則正しい生活定期的な運動を心がけましょう。

 

☆低用量エストロゲンプロゲスチン配合錠や抗うつ薬はPMSPMDDの一部症状を

緩和させるという報告はありますが、保険適応がないことに注意が必要です。

 

☆また、PMDDだと思っていたが、実際にはうつ病などの精神疾患が生理前に悪化しているケースもありますので、治療効果を感じられない場合は心療内科での診察が必要になることもあります。

 

困っている症状が

・月経前に始まり、月経がはじまると落ち着く

・月経の度に起きる

・これらの症状があることで日常や社会生活に支障きたす

 

上記のようなことが気になるようでしたらご相談ください。

プレコンセプションケアについて


プレコンセプションケアという言葉を聞いたことがありますか?

直訳すると、妊娠前の管理となりますが、妊娠前の女性や、カップルの

健康管理のことを指しています。

不妊治療の手技は日々進歩しています。

しかし、妊娠できれば良いわけではなく、妊娠、出産、育児に耐えうる心身の健康が大切であることを改めて言葉にしたものです。

 

いわゆるブライダルチェックと少し違う点は

・具体的な妊娠を考える前の段階での健康状態

・以前の妊娠でトラブルがあった人はそれが起きないよう

将来の妊娠に対するより良い環境を整えることに主眼をおいたものである点です。

 

・(小児期の)成人病、過剰な痩せの問題

・たばこ、飲酒、運動習慣、性病

・生理痛の陰に隠れている子宮内膜症

・生理不順  などが今だけでなく、将来の妊娠とその結果に関連

 

 

女性の健康だけではなく、男性が糖尿病や高血圧、脂質代謝などの病気を持っていることと流産、早産、赤ちゃんの体重や出生後の入院と関連があることがわかっています。

カップルで積極的に赤ちゃんを迎える準備をすることが大切です。