2023年6月9日金曜日

PMS  PMDD について

 


最近では、私はPMSではないか、と問診票に記入される患者さんもいらっしゃるほど認知度の高い病名となりましたが、この名称がついたのは1994年と比較的最近です。

 

PMS  premenstrual syndrome

 

月経前3から10日の間に続く精神的身体的症状で、月経が来るとともに症状が

治まるものをいいます。

いらいら、落ち込み、不安、乳房痛、下腹部痛、頭痛、手足のむくみなど症状は様々です。

 

似たような病態でPMDD premenstrual dysphoric disorderというものがあります。

これは、PMSの症状のうちイライラなどの精神症状が中心であるものをいいます。

 

自分が当てはまるとしたら?

 

☆まずは、

症状を詳しく知り(症状の出るタイミング、頻度など)

アルコール摂取制限禁煙規則正しい生活定期的な運動を心がけましょう。

 

☆低用量エストロゲンプロゲスチン配合錠や抗うつ薬はPMSPMDDの一部症状を

緩和させるという報告はありますが、保険適応がないことに注意が必要です。

 

☆また、PMDDだと思っていたが、実際にはうつ病などの精神疾患が生理前に悪化しているケースもありますので、治療効果を感じられない場合は心療内科での診察が必要になることもあります。

 

困っている症状が

・月経前に始まり、月経がはじまると落ち着く

・月経の度に起きる

・これらの症状があることで日常や社会生活に支障きたす

 

上記のようなことが気になるようでしたらご相談ください。

プレコンセプションケアについて


プレコンセプションケアという言葉を聞いたことがありますか?

直訳すると、妊娠前の管理となりますが、妊娠前の女性や、カップルの

健康管理のことを指しています。

不妊治療の手技は日々進歩しています。

しかし、妊娠できれば良いわけではなく、妊娠、出産、育児に耐えうる心身の健康が大切であることを改めて言葉にしたものです。

 

いわゆるブライダルチェックと少し違う点は

・具体的な妊娠を考える前の段階での健康状態

・以前の妊娠でトラブルがあった人はそれが起きないよう

将来の妊娠に対するより良い環境を整えることに主眼をおいたものである点です。

 

・(小児期の)成人病、過剰な痩せの問題

・たばこ、飲酒、運動習慣、性病

・生理痛の陰に隠れている子宮内膜症

・生理不順  などが今だけでなく、将来の妊娠とその結果に関連

 

 

女性の健康だけではなく、男性が糖尿病や高血圧、脂質代謝などの病気を持っていることと流産、早産、赤ちゃんの体重や出生後の入院と関連があることがわかっています。

カップルで積極的に赤ちゃんを迎える準備をすることが大切です。