2022年11月28日月曜日

子宮頸がん検診について

  日本では、年間約1万人が子宮頸がん(子宮の入り口にできるがん)に罹患し、約3千人が死亡しています。近年、患者数、死亡者数ともに増加傾向にあり、若い世代に多く発症しています。

 原因は、発がん性HPV(ヒトパピローマウイルス)の持続感染です。性交経験のある女性の80%は一生のうち一度は感染し、ほとんどの場合数年で免疫の力で自然に排除されます。ごく一部が持続感染し、異形成(前がん病変)を経て、数年以上かけて子宮頸がんへ進行していきます。

 初期にはほとんど症状がない為、定期的に検診を受けることが早期発見に繋がります。また、当院では検診の他、子宮頸がん予防ワクチン接種(公費・自費)も行っております。➡詳細はブログ(2022.7.16.22 / 2022.11.5 他)をご参照ください。


  千葉市子宮頸がん検診 1,200円 70歳以上無料

     (20歳以上の方に2年に1度、受診券が発行されます)

細胞診は、子宮頸部の表面をブラシで擦り取り、採取した細胞に異常がないかを調べる検査です。痛みはほとんどなく、その後の生活に制限もありません。おりもの、かゆみ、出血などの症状がない時にお受けください。

※子宮体がん検査は、医師の診察により必要と判断された方のみ対象

     

 HPV検査 オプション(R5.4/1~)9,900円 (子宮頸がん検診と併用)

 上記子宮頸がん検診(細胞診)で採取した細胞ががんになる危険性の高いHPV(10数種類)に感染しているかどうかを調べる検査です。特に16、18型が子宮頸がんに進行する可能性が高く、感染後に進展するスピードが速いと言われています。

細胞診のみ     ⇒ 70%発見率 

細胞診+HPV併用 ⇒ 99%発見率 併用することをおすすめします

        

 超音波検査  オプション 3,300円

 細い棒状の器具(プローブ)を膣から入れ、子宮や卵巣に反射した画像をモニターに映して臓器の状態を検査します。子宮や卵巣の位置や大きさ、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵巣腫瘍など内診だけでは分からない疾患を調べることができます。



今年度(令和4年)の千葉市子宮頸がん検診は、令和5年2月末までです。例年、締切日が迫りますと駆け込み受診が増え、混雑が予想されます。お早目の受診をおすすめします。

ネット予約 or 当日受付(受付終了時間の15分前まで)

千葉市受診券シール(台紙ごと)・保険証をご持参ください


2022年11月1日火曜日

生理をずらすピルについて





生理をずらすピル(中用量ピル)について
今回は中用量ピルについてお話します。
中用量ピルは、旅行などの理由で生理をずらしたい時に服用するお薬です。

※ 45歳以上の方
35歳以上の方で喫煙される方
妊娠の可能性のある方、授乳中の方
極度の肥満(BMI30以上)の方には、処方していません。
(年齢等については、医師の診察の結果によります。)

◉生理を早める方法
ずらしたい生理のひとつ前の生理が始まったら、出来るだけ早く(遅くとも5日目までに)
ピルを飲み始めて早めたい日あたりまで飲み続けます。

例 5月の生理を早めたい → 4月の生理が来たら、5日目までに服用開始
※生理が始まった日を1日目とします。  

◉生理を遅らせる方法
生理予定日のおよそ5日前から飲み始め、生理をさけたい日まで服用します。
(生理予定日が予測出来ないような生理不順の方は、この方法が難しい場合があります。)

☆服用方法
食前食後に関わらず、24時間に1回服用します。

☆副作用
頭痛、吐き気、むくみなどがあります。その他、血栓症を発現する可能性もあります。
詳しくは、当院HP(診療内容)をご覧下さい。

薬の使用中は、飲酒・喫煙、長時間同じ姿勢でいる事を控え、適度に体を動かし水分をこまめに取るようにしましょう。

※診察の結果、医師の判断によりピルを処方出来ない場合があります。
 相談のみでも料金(¥3300~)はかかります。

☆生理をずらすピルをご希望の方は、お早めにご来院下さい。

2022年10月24日月曜日

迷走神経反射について


┃迷走神経反射とは

私たちが日々生活して行く上で、身体をうまくコントロールしているのが自律神経です。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、活動する時は交感神経が働き、血圧・心拍数が上がります。休息する時は副交感神経が働き、逆に血圧・心拍数が下がります。

迷走神経は、その副交感神経に含まれ、何らかの不具合が原因で反射的に、また過剰に働いてしまうのが、迷走神経反射です。

 

┃症状について

症状は、血圧・心拍数が低下することで脳の血流量が低下し、冷や汗、吐き気、顔面蒼白、目の前が暗くなるなどです。

症状がでた時は、即、横になり足を高くして、頭の方へ血液を送る体勢をとることで早い回復へと向かいます。

迷走神経反射を引き起こしてしまう誘因として強い痛み、緊張、疲労、ストレス等があげられます。

自分が思っている以上に身体は繊細で、正直に反応し症状として現れます。

 

┃予防するには

日頃から健康管理に心掛け、予定を入れた時は、十分な睡眠・食事をとり、体調を整えましょう。

一度、迷走神経反射を経験されている方は、その時の自分の体調がどうであったか、自分の体質を知り、自己防衛に努めて頂くことが再発予防につながります。

 

 

2022年8月29日月曜日

HPVワクチン接種後の迷走神経反射について

 HPVワクチン接種数が増えるとともに、接種後の迷走神経反射を起こす方が増えております


HPVワクチン接種後に倒れたりする患者さんの傾向

 

      睡眠不足だった

      疲れ気味だった(軽度の疲労が数日続いている)

      生理で体調不良になる方が生理中

      食事を抜いてきている

      水分補給が不十分


接種当日に上記に当てはまる場合は、その時期を避けて接種をして下さい。

2022年7月16日土曜日

25歳以降の日本人女性に対する子宮頸がんワクチンの有効性

 

【ワクチンのHPV感染予防効果は25歳で消えるわけではないが、ワクチンを接種した女性でも子宮頸がん検診は必ず受ける必要がある】

 

 

2022.5月 新潟の女性429例

このうち、HPVワクチン接種歴あり→150例 35%

         〃     なし→279例 65%

ワクチン接種後 平均8.6年

ワクチン接種群と、非接種群の初回性交年齢と過去の性交人数に有意差なし

 

接種群

非接種群

HPV16/18

感染率

0%

5.4%

HPV31/45/52

感染率

.3%

10%


※HPV16.18型→特に前がん病変や子宮頸がんに進行する頻度が高く、スピードも速いと言われている

 

2022.5.10 新潟大学ホームページ

HPVワクチン接種9年後の感染予防効果を確認―日本初の長期有効性に関する報告―】

                            より掲載

 

2022年7月15日金曜日

女性の更年期について

 

女性の更年期について

 

個人差はありますが女性は約50歳で閉経を迎え、この閉経を挟んだ45歳~55歳の約10年間を「更年期」といいます。

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類のものがあります。

40代になると卵巣機能が少しずつ衰え、エストロゲンが徐々に減少し始めます。そして更年期になると卵巣機能はさらに低下し、エストロゲンは急激に減少します。

女性ホルモンの急激な減少にからだがついていけず、心身にさまざまな不調があらわれます。

その症状は重かったり軽かったり、自覚がなかったりと個人差があります。症状が重く日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」と言います。

 

更年期の症状はホルモンバランスの乱れ・エストロゲンの減少による「加齢に伴うからだの変化」と性格や不安やストレスなどの「心理的・社会的な変化」が複雑に関係しあって起こると考えられています。

 

◇ 更年期の主な症状

 

〇 精神神経系     →  頭痛・めまい・不眠・うつ・イライラ・不安感 など

 

○ 血管運動神経系  →  ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)・発汗・寝汗・むくみ・冷え

                   動悸・息切れ など

 

○ 皮膚・分泌系     →  喉の渇き、ドライアイ など

 

○ 消化器系       →  食欲低下・吐き気・胃もたれ・胸やけ・下痢・便秘 など

 

○ 運動器官系     →  肩こり・腰痛・背中の痛み・しびれ・手指の痛み など

 

○ 泌尿生殖器系    →  月経異常・尿漏れ・頻尿・性交痛 など

 

 

更年期の治療法として「ホルモン補充療法(HRT)」、「漢方」などがあります。

患者さん個々の症状、状態によって治療法が変わってきます。

 

また、更年期症状とよく似た症状でも別の病気が潜んでいる場合があるので自己判断はしないようにしましょう。

 

まずは医師にご相談ください。

 

過去のブログ〈20172月、3月、4月〉で更年期障害について、〈20198月〉ホルモン補充療法(HRT)についてお伝えしてきましたのでそちらもご参照ください。

2022年4月30日土曜日

当院でできるワクチンのご案内

 

当院でできるワクチンのご案内(◎印は通年行っています)

◎子宮頸がんワクチン 2種類  (自費・対象年齢に対して公費)

  どちらも、一定期間に3回接種 

4価ワクチン  ガーダシル    【公費対象年齢】

                         ・定期接種対象小6~高1

                         ・キャッチアップ対象者 H9.4.2H18.4.1 生まれ迄 

   9価ワクチン  シルガード9

MR 麻しん風しん混合ワクチン (自費と公費負担)*小児は行っていません

自費 

風しん対策としての 公費負担あり

◎帯状疱疹ワクチン 50歳以上対象 (全て自費)

   帯状疱疹ワクチン 1回接種

   シングリックス   2回接種 

●インフルエンザワクチン接種  (自費・ 65歳以上の方等 一部負担金あり)

    例年10月より予約開始  時期や詳細はホームページ上にご案内

接種までの流れ

  診療時間内にご来院いただき、問診票をご記入下さい。

ご持参頂く物→ 保険証・お薬手帳・自費接種の場合は費用

  医師が問診をチェック→取り寄せ。※自費の場合はお支払い

  概ね、1週間後に接種可能。当院指定の時間にご本人がWEB予約

  接種

☆いずれのワクチンも申し込みの後、その方の為に取り寄せています

キャンセルはご遠慮下さい